宅建業法改正と中古住宅流通促進政策

平成30年4月1日より改正宅建業法が施行されました。

実務面では契約書等に記載事項の大幅な追加が求められました。

なぜ改正

よくニュースでお聞きになられると思いますが、目的は中古住宅の流通を推進するためです。

海外は建物を何十年も使うのに、日本は例えば、木造家屋は20年もすると価値ゼロと言われたりするなど、中古住宅価値は著しく低いです。本当は使えるのであれば価値はあるはずです。

日本では新築信仰があるので平成25年度の住宅取引量のうち、実に85.3%が新築の取引でした。つまり中古は14.7%ということになります。

また1969年からの住宅への累計投資額と現在資産の差額、つまり目減り額はなんと500兆円と言われているようです。中古住宅にもっと価値が認められればここまで減らないでしょう。

今後人口減少が予想されている中で、空家問題も深刻なので、国土交通省は中古住宅の流通を推進し活用していこうという姿勢です。そんな中で一般消費者の不安を解消するべく、制度面でもバックアップをしてゆこうというのが今回の宅建業法の改正になります。

以前の記事でも新築よりもリフォームが増えると予想されているのはこのような行政の方策の側面もあります。推測ではありますが、中古住宅の流通促進は今後推進されるのではないかと考えられています。

内容としては、媒介契約書や重要事項説明書、契約書においてインスペクション(住宅診断)の実施状況の説明や、その実施のあっせんなどが宅建業者に義務づけられました。かなり大掛かりな改正であるので(とくに宅建業者にとって)、詳細は後日ご案内します。

賃貸市場では

昨今リノベーションが大流行しています。築古のマンションでも素晴らしいリフォームをして生まれ変わっています。室内ももちろん、共用部もきれいにすると築年を感じないほど見違えることもあります。

インスペクションの有無の説明義務化とはいえ、実施するとなると費用負担が生じるのでどのくらい浸透するかはまだ様子見ではありますが、調査をしたか否かの説明を義務付けた点などは、今後の問題提起となりそうです。

耐震診断の有無なども重要事項説明書の記載事項になりました。

たちまち何か大きく変わることはないと思いますが、徐々にリフォーム物件は増えてゆくものと思われます。

少し年数の経った建物も検討材料に入るようになると、物件探しに幅がでます。最近、驚くほど見違えったリフォームを実施した物件も目にすることが多くなってきました。物件情報が平面図一枚だった時代と比べても、お客様が得られる情報量は増えてきました。ベストな物件をお選びいただけるよう、日々の情報収集を実施してまいります。